介護職と言えば「体力と忍耐」で乗り切るようなイメージがあるかもしれないでしょう。しかし、介護の現場ではそれらのイメージを覆す新たな介護スキルが登場してきています。
まず、水の入ったペットボトルでもカバンでも良いので、少し重さのあるものを用意しましょう。これを片手で普通に持ち上げてみて、上げた時の感じを覚えておきます。今度は肩を上げたまま(自分の耳の方に近づけるように)持ち上げてみましょう。かなり楽に持ち上げることができたのではないでしょうか?このように肩を少し上げるというような操作をするだけで、腕の力だけでなく背中の大きな筋肉を使えるようになり、誰でも直ぐに大きな力を出せるのです。介護現場では、武術やスポーツのスキルを積極的に取り入れて、介護者と被介護者、双方の身体に優しい介護技術が進化してきています。
また、コミュニケーションにおいても「目を合わせる」だけでなく「積極的に視線を捉えにいく」ことが提唱されるようになってきています。「認知症や知的障害などで、なかなか目があいにくい人」の視線をキチンと(時には覗きこむようにしてでも)とらえてから介護を始めるのです。初めは違和感を感じる介護者が多いが、何度か続けると利用者との関係が不思議と良くなり、介護がとてもスムーズになるといいます。
上記のような介護やコミュニケーションのスキルがどんどん現場で取り入れられてきています。観察と工夫によって介護はどんどん面白くなります。これが介護職の魅力と言えるでしょう。